開催日時
2025年4月17日(木曜日)11:00~12:00
開催場所
株式会社WOWOWプラス Space17C 会議室
出席者
番組審議委員(敬称略):青木眞弥/池ノ辺直子/音好宏/高寺成紀/富澤一誠/村上典吏子/湯淺正敏
※委員総数7名中7名出席
放送事業者(インターローカルメディア株式会社): 久保政史/佐藤肇
番組供給事業者(株式会社WOWOWプラス):宮澤辰之/森田健介/松田健吾/植竹伸剛/青木昭/内藤友基/高野佳彦

議題:

1.報告事項

・2025年1月~3月の「歌謡ポップスチャンネル」に対する視聴者からの問い合わせや指摘・意見について

 

2.審議事項

「歌謡ポップスチャンネル」の番組内容に関する審議

[審議番組]

『南こうせつの素顔 ~おいちゃんの今~ 林部智史 音楽を訪ねて』

<番組概要>

1970年にデビューし、歌手生活55周年を迎えた南こうせつ。かぐや姫で「神田川」「赤ちょうちん」「妹」、ソロとして「夢一夜」「夏の少女」など多くのヒット曲を持ち、未だに多くの人を魅了している。「おいちゃん」という愛称で親しまれる彼は数多くのライブやチャリティーコンサートを開催してきた一方で30代に大分県に移住、そこを拠点に今なお活動を続けている。今回そんな南こうせつの素顔とは何か?を求めて大分を訪れるのは、たぐいまれな声を持つ歌手 林部智史。スペシャル企画として、南こうせつと林部智史による世代を超えたアーティストのTALK&SONGセッションもお届け。

 

[番組審議委員意見]

・南さんがすっと大分の方に、普段住んでいらっしゃるっていうのは知らなかったが、土地柄に触れ、お兄さんのお寺の事やイルカさんのコメントもあり、南さんのルーツと流れを、短い時間でうまくまとめながら、それを林部さんが訪ねていく構成で、最後に2人出会うという構成が良く、音楽もアーカイブもあり生歌もありで音楽ドキュメンタリーとして非常に安心して楽しく見られた。制作チームとアーティストとの関係性を繋げていくことを非常に大事にされていることが感じられた。

 

・豊富な過去写真、イルカら多数の証言者の映像、更に共立講堂ロケや地元用楽曲PVのメイキングまで、手間ひまかけて丁寧に南こうせつ氏の半生を映像化していた。
一方で、なぜ林部氏が南氏の音楽的ルーツを探る旅に出たのか、その動機の訴えが希薄だったせいか、受け取り側としては両者の視点が錯綜する感じとなり少し見づらい印象もあった。

 

・今回は林部智史さんと南こうせつさんのやり取りがメインだろうと見ていたが、南こうせつさんの大分との関係など、個人的な側面が特に面白く、イルカさんやこうせつさんの生き方に対するインタビュー展開も分かりやすく良かった。一方、林部さんとのジョイントに関してはナレーションが説明過多に感じられ、もっと林部さん自身の言葉で語らせるようにしたら良かったのでは。こうせつさんはレジェンドなので、解説よりもご本人の言葉で語っていただく方が、分かっているファンにとってはより深く感じられると思う。

 

・厳しいことを言うようだが、私から見たら「無難すぎ」「ちょっと苦しいな」、という印象。南さんと林部さんの接点がない時点でこの企画は苦しい。「困ったときのこうせつさん」になっていないか。今回は南さんが「私には作詞の才能がない」と語っていたところがポイントで、そのマイナスを埋めるために作詞家喜多條忠さんと組む、伊勢正三さんを発掘する、それなしに「神田川」は生まれていないこと、歌詞にある「ただ貴方のやさしさが怖かった」の多様な解釈などに繋げて欲しかった。また、南さんが触れていた「最後の着地」についても取り上げて今や「生きていることがメッセージ」である南さんの存在や今後について掘り下げて欲しかった。

 

・南こうせつさんとイルカさんが紅白に出演したことで注目されている中、それに乗っている、という第一印象。林部さんは少し注目して見ているのだが、なぜ南こうせつさんと共演しているのか、というところでの二人の絡み、関わりが知れればもっと面白くなったのではないかと思う。とはいえ、全体的には、私の年代の人には特に刺さる、面白い番組だったと感じた。

 

・とても面白く見られた。南こうせつさんの素顔に触れられるところが面白く、特に故郷大分でのルーツや、お兄さんの話、杵築市の人々との温かい交流などが印象的で、あまり知らなかった彼のパーソナルな側面が垣間見れたように思う。林部さんに対する「自分の言葉とメロディが一緒になった時に魂の波動になって感動を与えられる」というある種後輩へのメッセージとそれを受け止める林部さんの姿、こうせつさんの「悲しい顔を見るのは嫌だから幸せにできるならなんでもやる」という人生への前向きな姿勢などがとても印象的。このようなメッセージが発信できる方が語ってくれる、語れるうちにたくさん番組に残していってもらいたい。

 

・南こうせつさんという方が、人格者であるということが始めて分かったように思う。心のある限り大地に腰を据えて、自然に生きていく、そんな力強さが感じられた。

 

4.連絡事項

次回番組審議会は、2025年7月17日(木)午前11時より開催(予定)。

 

 

以上