2018年6月29日開催議事録

開催日時
2018年6月29日(金曜日)13:30~14:30
開催場所
インターローカルメディア株式会社 会議室
出席者
番組審議委員: 小西侯久/西岡成悟/森豊子/延増拓郎/松山隆幸/青柳浩明/渡邊由佳
※委員総数7名中、7名出席
放送事業者: 久保政史/佐藤肇

議題:

1.番組審議

(1)「政経マネジメント塾」

「西郷隆盛と『徳の交わり』~今に生きる西郷隆盛の真の思い~(ダイジェスト版)」編
概要:山形県鶴岡市で行なわれた「西郷隆盛と『徳の交わり』」と題したシンポジウムの模様と、「西郷南洲翁遺訓」を通して、西郷隆盛と山形県庄内地方の深い繋がりを紹介する。

[番組審議委員意見]
  • ◇明治維新150年にふさわしい企画。西郷隆盛の業績については現在もなおさまざまな評価がなされているが、今回取り上げた庄内の人たちが尊崇し続けてきた西郷の“徳”は、その高潔な人間性の発露として紛れもない事実であり、あらためて西郷の偉大さを再認識させるような説得力があった。一過性の“西郷どんブーム”で終わらせないためにも、語り継がれるべき真実である。政経マネジメント塾」が趣旨とする“地方創生”“人材育成”に関わる好企画であった。
  • ◇番組を通し、庄内という戦に負けた一つの地方が、明治維新から150年歩んできた礎と云ったものが見えたように思う。徳をもって国を治め、人々もこれを理解、協力していく姿こそ大西郷や菅実秀が求めたものではなかったでしょうか。また、この番組が求める地方の時代、地方分権、人材育成の観点から大いに参考になると思う。非常に良く出来たすばらしい番組なので、インターローカルアワーだけでなく山形地方(地上波)で放送を検討したらいかがでしょうか。
  • ◇歴史的な裏付けに基づいた紹介と、初めて知る史実の詳しい解説が大変面白い。NHKの「ブラタモリ」のような、自分が見て聞いて知ったことを人に知らせたくなるような番組の作りになっていた。鹿児島と庄内藩の繋がりが、西郷隆盛による徳の交わりで始まったこと、これまで遺訓が伝えられ、県民の実直な姿勢と生活や意識に触れることができ良かった。番組の丁寧な企画制作を実感できた(取材やシンポジウムの開催等の紹介)。
  • ◇現代においても、「道」、「徳」といった概念を理解することは、重要なことである。しかし、価値観が多様化し、それぞれの価値観を尊重することが求められる現代において、「道」、「徳」といった、恣意性が入りやすい概念を過度に強調することには、問題がある。この点、本番組では、西郷隆盛と庄内藩の戊辰戦争の頃からの交わりという、地域の歴史を背景として、「道」、「徳」に関する情報を提供しており、恣意性が入るおそれが低く視聴者側も受け入れやすいといえる。このような形で、現代でも重要な「道」、「徳」に関する新たな気付きを与える番組で、適切であると考える。
  • ◇西郷隆盛が庄内藩とこのような深い縁があったことは、あまり知られていないように思う。この番組を観て、改めて「南洲翁遺訓」に込められた当時の庄内藩の人々の思い、それを今まで語り継いできた庄内の人々の深い思いに、鹿児島出身者としては改めて西郷隆盛という人物の偉大さを感じた次第だ。歴史の主人公として西郷隆盛を取り上げる一面だけでなく、西郷隆盛が背景にあってそこに生きる人々がその思いを語り受け継いでいるという歴史の多面性を改めて認識する番組だった。このような番組が全国ネットに流れることはないでしょうが、歴史の紐解き方を多面的に考える良い番組だと思う。
  • ◇分かりやすい流れで、安心して視聴できた。挿入の地図・本・文字・音楽が適切であり、理解促進につながっていると思った。
  • ◇庄内の方々が西郷について語るという、ありそうでなかった内容で大変興味深く拝見させていただいた。今後もこのような観点での番組を是非作り続けていただきたいと思う。

(2)「世界ローカルナビ from Hawaii」#14 ~111-HAWAII AWARD受賞店~編

概要:2017年10月に行われた、「111-HAWAII AWARD」(※)の授賞式の模様と、同アワードを企画したプロデューサー達が、受賞したショップやレストラン等を、全3話に分けて紹介する。
※ハワイファン(日本人・ハワイ在住日本人)による、ハワイのグルメ、お土産等のランキングを投票によって決定し表彰する企画

[番組審議委員意見]
    • ◇今回のテーマはハワイで働く日本人による企画であり、また地域活性化や社会貢献に資するイベントだが、これを取り上げたことにメディアとして大きな意義があると思う。通り一遍のハワイ観光案内と違い、実際に商品に触れた人たちの投票で選ばれた品々は、どれも本物のハワイを実感できるものであり、その意味でこの番組は“ハワイ通”の自負心を大いに刺激する絶好のガイドと言える。十分な機材や時間に恵まれない条件下での撮影だと思うが、前シリーズに比べて構成や映像のクォリティ面での改善が見られ、またナビゲーターの生の声が聞けたのがよかった。ただ、ゲストとナビゲーターのトークの内容が楽しかっただけに、この場面でのカメラアングルにもう一工夫欲しかった気がする。
    • ◇ハワイの地場産業の育成に3人の日本人が関係した大いに役立つイベント(111-HAWAI AWARD)の紹介をし、ナビゲーターがそのお店を訪問取材し、ハワイの商品(衣料、食品、料理)などを紹介する番組。ハワイを訪れる人必見の内容となっている。1位だけでなく、ハワイ特産の商品など、もう数商品紹介して欲しい(取材無しでも)。各ジャンル上位3店ぐらいの商品紹介があれば情報量が増えたと思う。
    • ◇よく訪れるハワイの新しい発見ができることを期待した。この賞の権威や規模をハワイ観光局公認のAWARDであることをもっと打ち出して紹介しても良かったと思う。「ハワイアワード」の内容や仕組みを、NETで見て知ったが、もう少し番組の冒頭にこのAWARDの仕組みを紹介した方が、初めて見る人にはわかりやすい気がした。シリーズであっても冒頭の1~2分で必ず内容を説明した方がわかりやすいと思う。また、受賞者の思いや活動をもっと紹介したり、ハワイの良さや楽しさももっとアピールしても良い。
    • ◇短期の観光のための情報提供ではなく、地理的な特色を要因とする高コストというハワイのマイナス面をふまえて、地域経済の活性化、ひいては環境、文化保護も達成するという観点から、人気店の紹介をしている点で、新しい視点であると感じた。紹介されている店舗も、投票により選ばれていることもあって、それぞれ魅力的で、良好な情報の提供を受けることができた。番組の最後で、ハワイに居住している方によるランキングについても言及があり、これも実現すれば、貴重な情報が得らえることになると考える。ただし、情報を提供することによって観光客が殺到することなどによる店舗及びその周辺の環境の悪化の防止、ランキングの公正性の担保、店舗の宣伝への利用の防止については、注意が必要と考える。
    • ◇手作り感満載の番組で好感が持てた。ハワイという観光先進地として認識していた観光地でも、実情に合わせて、さらに地域と地域に住む人、そして観光客を有機的に結びつけようとする努力を怠らない姿勢に感心した。今グローバル化が叫ばれれば叫ばれるほど、改めて「ローカル」の持つ意味を問うことが重要と考える。その答えの一つとして参考になった。
    • ◇ハワイの明るさ・陽気さが伝わってくる内容だった。アットホームな内容で親近感が湧いた。プロジェクトの主体(ハワイ州観光局公認アワード)や狙いについて、もう少し解説があったほうがその権威を理解でき、結果として番組の意義が伝わりやすくなると思った。食材や洋服などは価格表示し、店舗の地図や電話番号もインサートした方が、より好奇心をもてると思った。料理の撮り方に工夫があるとよいと思った。
    • ◇ハワイの魅力満載で、ハワイファンに人気の商品をより広く日本に紹介するという、大変有意義な番組で内容も興味深く楽しめた。今後も是非続けて番組制作していただきたいと思う。

 

  • ◇両番組[(1)・(2)]ともに、番組制作の意図が明確で理解しやすく、かつ新たな「ローカル」観、歴史観を提供しているように感じた。可能であれば、継続してCS放送だけでなく、放送後のインターネットを活用した番組の公開、メールによる番組情報の配信など、「ローカル」を核にした総合的な情報発信を手がけられることを大いに期待したいと思う。

2.報告事項

番組に対する視聴者の意見の報告

以上